「通販の外側」はAIで激変中――だからこそ変えない「基幹業務」の価値
私たちが日々関わるネット通販の世界は、いま大きな転換点を迎えています。商品を探して、選んで、購入する――この流れの「表側」であるユーザー体験の部分が、劇的に変わり始めています。
たとえば最近では、AIチャットであるChatGPTが商品の提案だけでなく、そのまま購入手続きまで完了できる時代が目前に迫っています。これまでは、AIチャットが「おすすめ商品はこちらです」とリンクを表示し、ユーザーがAmazonや楽天などに移動して購入していました。しかし今後は、ChatGPTの中でそのまま注文・決済まで完了できるようになる。この技術は、Shopifyなどの大手通販プラットフォームとの連携によって、すでに開発が進められています。
これが意味することは、「検索する」「サイトに移動する」という行動そのものが消えていく可能性があるということです。
激変する通販の“表面”部分
この変化は、あらゆる立場に影響を与えます。
- Google:広告収益がビジネスの中心であるGoogleにとって、「検索を介さずに商品購入が完了する世界」は、収益構造に直撃します。
- Amazon・楽天などの巨大ECモール:AIチャットから購入が完了するようになれば、自社モールに集客する導線が奪われる可能性もあり、プラットフォームの役割が再定義される時代に入るかもしれません。
- ネット通販をしている企業:広告、SNS、SEOに加えて、**AIに自社商品を「推薦してもらう」ための工夫(AIO=AI最適化)**という新しい集客手段が出現しています。
- ユーザー(購入者):AIとの自然な会話の中で、最適な商品を見つけ、決済まで一気に完了。商品との出会い方が根本から変わっていきます。
「変わらない」ことが価値になる時代
このように、通販の“表面”は、今後ますます変化のスピードが加速していきます。集客方法、検索手段、購入体験、さらには分析やマーケティングまでもがAIに置き換わっていくのは時間の問題です。
しかし、だからこそ注目したいのは、「変わらないこと」にあります。それが、基幹業務――すなわち、受注・出荷・在庫・顧客管理など、通販ビジネスの“心臓部”です。私たちの通販システムは、ここに徹底的にフォーカスしてきました。
- 複雑な受注処理の自動化
- 楽天、Yahoo、Amazon、自社サイトなど、複数チャネルのデータ統合と一元管理
- 外部ツールやAIとの連携を前提にした、柔軟なデータ連携設計
これこそが、**「変化し続ける時代」の中で、変えずに持ち続けるべき“芯”**だと、私たちは考えています。
周辺はAI化していく。だから「芯」を固める
これから先、分析はAIが、集客もAIが、広告運用もAIが…という流れはますます加速していくでしょう。ただしそのAIが「何を分析するか」「どのデータを元にするか」は、結局しっかり整った基幹業務のデータがあってこそ機能するのです。
私たちの通販システムは、そうした基幹のデータと外部AI・分析ツールの橋渡しも得意としています。たとえば、AI分析ツールと連携してLTVや解約予測を可視化したり、マーケティング施策ごとのROIを商品別に自動集計したり、定期通販やキャンペーン施策の効果をChatGPTで解析したり。このように、時代の変化に合わせて“周辺”を柔軟に切り替えていく設計が可能です。
まとめ:変えるべきは「まわり」。変えてはいけないのは「核」
通販ビジネスの未来は、AIの進化によってこれからも加速度的に変化していくでしょう。だからこそ、「時代に合わせて変えるべきもの」と「守るべき核」をしっかり見極めることが重要です。
フォワード フィールド テクノロジーズ株式会社 代表取締役。 30年にわたり中小企業の業務システム・基幹システムの開発に従事。 通信販売管理システムを自社プロダクトとしてゼロから立ち上げ、約30社に導入。 一般社団法人日本生成AI推進協会 技術部長。
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